10月27日三ツ瀬 ヒラス
 ぼちぼち当たり出したクロとヒラスに会いたくてしようがなかったのだが、週末ごとに台風やうねりで三ツ瀬にたどり着けることができずにいた。しかし今週はみんなの念が強かったのか台風が逸れ、波高が1mとなり、港には田中会長と信君、原口君、森辺さんと勢揃いした。前回来たときに鰺子が釣れずに大変だったので、釣りに行ってから来るつもりだったが、森辺さんが少し分けてくださるということだったので甘えることにした。港ではたくさん分けていただいたので、帰りのスカリは抱えきれないかもしれない。後はボイルを2角持ってきたのでクロと、あわよくばイサキやマダイでも狙えれば、「もうどうしましょう。」である。前回襲来した台風から、朝夕は少しずつ肌寒さが身に染み出したが、今日も結構肌寒く、レインを纏っていない原口君などは「寒いっすね〜着てくりゃよかった。」とぼやいている。まぁ日が昇ると暑くなるから、それまでの我慢ね。
 さて、私たちを乗せた照三丸は10分ほど走って、私たち3人を高三ツ瀬のワンドに下ろした後、森辺さんを海峡、ほかのお客さんを灯台にあげた。瀬上がり後は分けてもらった鰺を、水が生きているタイドプールに移してエアレーションを入れておく。これで鰺は一安心。日が昇ってくると水温を管理しなければいけないけど、午前中の勝負なので大丈夫。次にボイルをと海水をバッカンに浸し、タックルを組む。前回来たときに青物が沸いたので、ルアーもおまけで組んでおくのである。
 今日はダイコーの砕波ストロング3号にバリバスのバーテックスストロング6号を巻いたトーナメント4000LBをセット。ハリスはシーガーエースの8号を一ヒロ半とり、針は鬼掛けの伊勢尼11号を結ぶ。ウキはキザクラの超遠投疾風1.5号で、鰺が浮いてしまわないようにタナ調整用の5Bのガン玉を1つ打つ。久しぶりの釣行の時は何か忘れ物をするので注意をするのだが、今日はここに来て60cmのタモ枠を忘れていることに気づいた。ここでは必需品である。小さいタモ枠しか持ってきていなかったので、原口君が出してくれた。狭い釣り座なんで、仲間内1本あれば大丈夫なんである。
 とりあえず準備ができたのでワンドの突端からつり開始。もうしばらく下げ潮が行くはずだが、ゆっくりと丸瀬の方に流れていきいい感じだ。しばらく龍神の手前まで流れていったが、そこからの払い出しに捕まったのか流れなくなった。しょうがないので、回収をしようとしたら居食いをしていたのか根掛かりをしたのか巻く手が止まる。「ん?」と思って穂先できいてみると何か掛かっているようだが、根に入ったのか何かに引っかかっている様子。しょうがないので強引に引き絞ると、ずるずるっといった感じで1mほど動いたがまた動かなくなった。さらに強引に行くとハリスが半分になって戻ってきた。残念。 龍神の張り出しのところで根魚が食ったまま根に入っていたのだろう。気を取り直して仕掛けを変えて同じところを流していく。となりと雑談してしばらく目を離している間にウキが消えた。道糸が走らなかったのでまた根魚だろう。餌が生き餌なのでリールを巻き取りながら穂先の様子を見ているとぐいっと重みが伝わってきたので、そのまま巻き取りながら一気にロッドをたてる。取り込んだのは30cmほどのアカハタ。おいしい魚なのでとりあえずキープする。
 しばらく竿2本ほどで流していたが、鰺はそのままついてくる。あたりが遠のいたので2ヒロほどタナを深く入れ込むと、目を離した隙にまたもやウキが視界から消えてしまった。しかし道糸がまた走らないので、「また根魚かぁ。」と同じようにあわせを入れると今度はまぁまぁの重量感だ。しかも走り出したが青物のような走りでもない。もしかしたらスーさん?と思ってやりとりしていると銀の巨体が浮いてきてジャーンプ!えさの鰺もはじけ飛んだ。まぁまぁの型のヒラス・・ズキのスーさんだ。これぐらいのサイズだと3号ロッドの相手ではなく難なく足下に寄せてくる。最後のえら洗いの連発も想定内なのでロッドでいなして原口君の差し出すタモにジャスミート。帰宅後の検量では65cmだったが、まだ腹に入っていなかったので2.5kgしかなかった。
 さて、足下はというと、田中さんの撒いたボイルにクロではなくシロ(イズスミ)がぐらぐらと水面まで沸きだした。こんなにイズスミが沸きまくってはクロ釣りころではない。潮が下げているのでクロ狙いのつもりだった田中さんはタックルを泳がせようにチェンジしている。龍神やコブ瀬では、ここ最近ずっと中型のクロがぼつりぽつりと上がっており、今日も好調の様子で、快調に竿を曲げている。また、コブや龍神の突端、キリ瀬では、ぽつりぽつりとヒラスが当たっているようだ。「よかなぁ、おいたちんとこにも廻ってこんかなぁ」とか言っていると、原口君が、「龍神はボイルで釣りよるごたるけん、おい達もボイルば撒いてヒラスば寄せて鰺で釣りましょう。」といってボイルを撒きだした。そのマキエが功を奏したのか2ヒロのタナで流していた仕掛けに添えた指がバチバチバチ〜っと弾かれた。「あいた〜きたばい」と合わせようとすると、合わせる前に生体反応が消えた。あら?っと思ったが、餌だけ取って行ってしまったのだ。これは残念。
 しかし周りを見ているとコブでクロつりをしている人の撒いたボイルが沖で浮いているのかヒラスが「バシャ。バシャ」とやっているようで、時折クロ仕掛けをひったくってぶっ千切っているし、龍神ではボイルで釣っている人に3連発!原口君じゃ〜ないけど、「こいつはもしかしてボイルにヒラスがついているのかもしれない。」と確信し、付け餌もボイルにチェンジ。すると同じポイントに入れるとすぐに道糸が走った。「やっぱりね」っとロッドをたてようとしたら生体反応オフ。「あれ?」どうやら食いが浅いのかもしれない。「まーたですよ、どうしましょ〜」と言ってたら、「喰いの浅いごたるねー、そげん時は、道糸ば指で止めとってみろ〜。ベールじゃだめよ、指で止めんばよ。」と田中会長からアドバイスをもらった。まさかそう度々あたらんやろうと思っていたら、続けてかけていた指ごとロッドを持って行かれそうなあたり。指で道糸のでを止めていたのが功を奏したのか針掛かりをしたようだ。ロッドをたて、ベールを戻してもう一度あわせを入れる。すると久しぶりの剛引きが返ってきた。これで頭をあっちに向かせたり、走らされてしまうと狭くて根が複雑なここでは、相手に軍配が上がることが多いので極力糸を出さないようにレバーを握りしめながらも、ロッドをたてる分だけ道糸の出を微妙に調整しながらロッドの反発力でためる。すると相手は海峡の方へじわりじわりと走り出したので、海峡側の足場の悪い方へ移動する。少し相手に主導権を握られた感があったので、これ以上は走られたらまずいと思ってレバーを握りしめ、腰を落としてロッドを絞り込んでためていると万十瀬際でウキがすーっと浮いてきた。よし、これなら何とかなると思ってカメラを信君に渡したら、それを見ていたかのようにその後足下深くに突き刺さっていく。1発目は無難に溜めきったので、2回目の走りも溜めきるだろうと思ったらふっと軽くなった。まさか・・と思ったが、案の定針外れ。全体食いが浅いのだろう。もう3回も当たったのに1本も捕れないなんて、がっかりである。
 しかし、さっきから絞って浮かした状態で撒いていたマキエに、ヒラスらしき喰い上げが何度も見えだしたのでいい感じだ。ウスバもさっきから2匹ほど見えていて時々ハリスにいたずらしているが、しっかり姿が見えるので間違いない。思い切ってハリスを1ひろにして流してみることに。するとまたもやばらばら〜っと道糸が走るあたり。でもこれはタナ1本で流していた田中会長のタックル。田中会長は「ほら〜!」っと道糸の走りを見せながら、「よいしょ!」っとあわせを入れる。かかってしまえば勝負は早い田中会長。2.5号の海匠がきれいな曲線を描きながらあっというまにヒラスを寄せ、原口君の構えるタモに。さっき釣ったスーさんと同じぐらいのサイズだった。
 続けて、ヒラス狙いに疲れて、細字掛けでクロ狙っていた信君にもヒラスらしきあたり。暫く剛引きに対応していたものの良型過ぎたのか、やはり細仕掛けでどうにかなるサイズでもなくハリスを飛ばされてしまった。さらに原口君の細仕掛けにもデカバンが当たったようだったが、これは瞬殺だった。さらにさらに、「これやったら絶対捕る。」と太仕掛けに変えて1投目。同じ所で馴染んだ仕掛けをまたもや青い稲妻が襲う。「太仕掛けやっけん大丈夫!今度は獲るっ。」と強気の原口君の予想を超えた剛引きは太仕掛けさえもあざ笑うかのようにぶっちぎっていき、原口君も苦笑い。さすがにこんだけバラスとあたりが遠のいたので、12時を回ったのを機にヒラスをあきらめ、足下に時折見えだしたデカバンのクロを狙うために細仕掛けにチェンジする。
 しかしさすがワンドというか、やっぱりワンドというか、見えるクロはなかなか当たってくれない。しばらくは我慢して狙っていたが、こらえ性のない私は細仕掛けに4号の鉛を追加し、竿1本半で馴染んだらじわりと潜行していくような仕掛けにし、ついついタナを深くしていく。終いには水道へ手を伸ばしてしまった。すると、程なく、お約束のようにベールを添えた指が勢いよく弾かれた。間違いなくヒラスのあたりである。一度道糸を多めに出して竿をたててベールを戻すとロッドがぎゃんと絞られて乗った。ここで走らせるのが一般的なのだろうが、ここは根が複雑で水道が狭いので極力糸は出したくない。今までの経験では細仕掛けでもこちらに頭を向かせた方が捕る確率は高かった。しかし当たってきたのは良型のようで1.25号の竿ではびびりまくりだ。何度か溜めて応戦したもののハリスがちもとから飛ばされて上がってきた。
 これだけやられてしまってはもう何が何だか・・。3号竿へのチェンジするもあたりが拾えなくなり攻めもちぐはぐに。そんな中田中会長に待望のあたり。きっと今度も捕ってくれるだろうと仕掛けをあげて全員で見守るが、堅めに閉めたドラグがギュルギュルと逆回転を続ける。「あいた〜止まらんばい。今日はロッドが2.5号やっけんあんまりぎゅぎゅーにドラグば締め切らん。」だって。それでもきっちり閉めたドラグから好き放題糸を引き出して海へ帰っていった。船からは8kg、9kgといったサイズが当たってきているそうで、そのサイズがどうやら廻ってきているのかもしれない。
 私も今回はあまりにもうまくいかなすぎてばらしすぎてみんなに申し訳ない。今日はヒラスは無理とあきらめ、ワンドの中で時間がたつにつれて見えるサイズが大きくなっているイズスミの中にデカグロもちらほら見えだしたので、一人静かに狙うことに。でも、なぜかどう狙っても餌さえ取られない始末。それでも辛抱して狙い続けたが、原口君が鰹を連チャンでゲットしてしまったので。もう一度とラストチャンスにかけタナ1本半で再び沖の筋を狙う。やっぱりワンドでの私の楽しみは、この沖へ走る潮を狙うことなんである。 あまりにもいい感じで流れているので、「おいらにも鰹を1本!」と思っていると神様に願いが通じたのかパラパラパラ〜っと上品な鰹かイサキみたいなあたりが来た。ロッドをたててベールを戻すとぎゅーんとのってきた。魚の引きからこいつはやっぱりイサキか鰹のようで、重量感はある物のイサキか鰹のようである。これなら大丈夫やろうと丁寧に寄せてきたのだが龍神の先まで寄せてきたところでいきなり引きが変わって巻く手が止まってしまい、肘に当てたロッドエンドがずるっとはじけてしまうほど。その隙を突かれて一気に走られてしまい、またもやハリスを飛ばされてしまった。まだ時間はあったがもう気分はぼろぼろ。何回やられたことか。今日は過去2番目ぐらいにばらしまくり、外しまくってリズムがつかめなかったが、久しぶりに三ツ瀬が活気づき、青物も多く入っており、早くも生き餌からボイルへ当たり餌が変わってきているので、今後の釣行が楽しみである。次回はデカバンのヒラスをごろりと並べてみんなでにっこりしているはずである。

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